介護報酬ダウンに伴う影響


介護報酬引き下げによる影響

介護報酬の見直しは3年ごとに行われています。介護報酬とは介護施設などの事業者が提供するサービス料のことですが、介護サービスの値段は市町村や事業所の体制、利用者の状況で変化します。介護報酬が引き下げられると介護サービスを利用する要介護者はこれまでよりも安く利用できるようになりますが、その一方で事業者側の負担が増加するためこれまで通りに運営するのは難しくなってしまいます。
基本報酬が下がったことで事業所の運営が赤字になったり経営が立ち行かなくなったりする可能性がありますが、それを回避するには職員の給与を引き下げたり、人員を削減したりと事業所側で努力するしかありません。しかし、必要最低限、ギリギリの人数で運営していたらどうなるでしょうか。利用者が満足するような介護サービスは提供できなくなってしまいますし、重点化対応の加算を取るために、要介護度の高い人を闇雲に受け入れてしまうかもしれません。そうなると、現場の職員の負担はより一層重くなってしまいます。負担ばかりが大きい仕事に就きたいと思う人はいないため、介護業界全体で人手が不足し、サービス資源そのものが縮小してしまいかねません。

介護報酬引き下げによる影響

なぜ介護職員の給与が安いのか

人手が不足したら給与を上げたり待遇を良くしたりなど、どうにか人手を確保しようとするはずです。しかし、介護業界は介護保険という公的価格があらかじめ決められた中での市場となるため、一般的な競争市場とは異なります。公的価格が決められている以上、事業所の努力だけではどうにもならないのです。
高齢者は今後も増加していくことが予想されているため、介護職員の確保が大きな課題となるでしょう。介護職員の給与の低さを補うために「介護職員処遇改善加算」という制度も開始されました。これは介護保険サービスの利用料期の1%~4%を利用者に直接請求するもので、介護職員の給与に上乗せする以外に使用してはいけないことになっています。
しかし、この介護職員処遇改善加算は期限が決められている時限的なものです。今後の介護報酬の見直しでは、このまま加算するべきかどうか議論が交わされることでしょう。

介護業界は純粋な競争社会ではない

以前の見直しのときには「介護報酬を引き上げるべき」という意見と「給与アップに結びつくシステムにするべき」という意見に分かれていましたが、介護職の給与アップを見込んだ改定にはなりませんでした。介護職員の給与・待遇改善は事業所の努力だけではどうにもならない状態まできているのです。何らかの公的援助がなければこの課題は改善しないでしょう。

課題と向き合う方法は

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